かつて女の子だった人たちへ
帰宅し、ホットミルクを少し飲んだ絆はソファで眠ってしまった。
そのまま二十時になっても起きない。くたびれた寝顔を見ていると心身ともに疲労がピークだったのだろうと感じられる。
雪奈は家事も手につかず、ダイニングテーブルでぼうっとしていた。こんなときこそ瞑想をしようと思うが、収まらない怒りと苛立ちで実践する心境になれない。
絆はこの先どうなるだろう。自分はまだしも、絆の小学校生活に敵が現れたのだ。それが、先日まで仲良く互いの家を行き来してきた友達。
学校なんて無理に行かせなくてもいいとは割り切れない。集団生活になじめないのかと夫や義母に意見されたくないし、中学受験に挑むのに二年生から不登校で大丈夫だろうかという不安もある。
いや、まだ不登校になると決まったわけではない。しかし、絆が悲しい想いをする学校になんて行かせたくない。
「クレマチスさんに相談してみようかな」
彼女なら鮮やかな意見をくれる気がする。雪奈に寄り添いながらも、明快な答えを用意してくれる。そういう人なのだ。
ともかく今夜は絆を休ませよう。一応、声をかけてみて夕食や入浴ができるか確認。起きなかったら寝室に運ぼう。俊夫はまだ帰ってこないが、この時間に連絡がないのなら夕食は外で食べてくるだろう。大人なのだから、ほうっておいて問題ない。
絆をおこそうとソファに歩み寄ると、テーブルの上のスマホが振動し始めた。
見れば、03から始まる番号だが登録はない。日中、小学校とやりとりしたばかりだったので、関係先からの電話ということもある。無視もできず手に取る。
「はい、迫田です。俊夫は夫ですが……え?」
雪奈は叫ぶように聞き返していた。
「俊夫が?」
そのまま二十時になっても起きない。くたびれた寝顔を見ていると心身ともに疲労がピークだったのだろうと感じられる。
雪奈は家事も手につかず、ダイニングテーブルでぼうっとしていた。こんなときこそ瞑想をしようと思うが、収まらない怒りと苛立ちで実践する心境になれない。
絆はこの先どうなるだろう。自分はまだしも、絆の小学校生活に敵が現れたのだ。それが、先日まで仲良く互いの家を行き来してきた友達。
学校なんて無理に行かせなくてもいいとは割り切れない。集団生活になじめないのかと夫や義母に意見されたくないし、中学受験に挑むのに二年生から不登校で大丈夫だろうかという不安もある。
いや、まだ不登校になると決まったわけではない。しかし、絆が悲しい想いをする学校になんて行かせたくない。
「クレマチスさんに相談してみようかな」
彼女なら鮮やかな意見をくれる気がする。雪奈に寄り添いながらも、明快な答えを用意してくれる。そういう人なのだ。
ともかく今夜は絆を休ませよう。一応、声をかけてみて夕食や入浴ができるか確認。起きなかったら寝室に運ぼう。俊夫はまだ帰ってこないが、この時間に連絡がないのなら夕食は外で食べてくるだろう。大人なのだから、ほうっておいて問題ない。
絆をおこそうとソファに歩み寄ると、テーブルの上のスマホが振動し始めた。
見れば、03から始まる番号だが登録はない。日中、小学校とやりとりしたばかりだったので、関係先からの電話ということもある。無視もできず手に取る。
「はい、迫田です。俊夫は夫ですが……え?」
雪奈は叫ぶように聞き返していた。
「俊夫が?」