かつて女の子だった人たちへ
「夢……?」
「集いのサロンを作るの」
クレマチスは無邪気な笑顔で言った。雪奈は呆然とその様子を見守る。
「ビデオミーティングや浄化ミーティングのような集まりをいつでも行える拠点があればいいと思うの。会社帰りや少し時間ができたときに、そこにやってきてね。瞑想をしたり、オーガニックティーを飲んだり、アロマでリラックスしたり。私と雪奈さんで治癒の施術もできるわ」
「それが……集いのサロンですか……?」
雪奈はどこか遠いところの話のように尋ね返した。今、雪奈の苦しみは目の前にある。しかし、大きな夢という形で雪奈の疲労を解消しようとしているクレマチスに、初めてズレを感じた。
「大地のパワーを感じたくても日常は余計なものが多すぎるのよ。日常から切り離された特別な空間を提供できたらとずっと考えていたの。多くの仲間たちが魂を向上させて、自己を救済できるようになれたら素敵だわ。伝道者たる私たちの使命じゃないかしら」
「クレマチスさん……」
その救われる存在に自分は入っていない気がした。雪奈が言葉に迷う間に、ひたすらに明るい調子でクレマチスは続けた。
「都内の中心部がいいわね。閑静だけど立ち寄りやすい場所を探さなきゃ。私とあなたで共同経営という形にして、会員制にしてオンラインサロンのメンバーを優遇して……」
途方もない夢の話に、雪奈は置いてきぼりの心地になり、また一方で若干冷静さも取り戻していた。どう考えても採算が取れる事業ではないだろう。しかし、信頼するクレマチスを簡単に否定もできない。
「クレマチスさん、その件は少し考えさせて。今はいっぱいいっぱいで、考える余裕がないんです」
「そうよね。わかるわ。ユキナさん、そういうときこそ瞑想よ。大地のパワーを時間をかけて身体中めぐらせるの。あなたならきっとそれだけで自分の治癒ができる」
なんだかよくわからないまま、通話は終わった。
心身ともにくたびれていたし、もう何もしたくなかった。ソファに横になり、絆が起き出してくるまで雪奈も眠りについた。
「集いのサロンを作るの」
クレマチスは無邪気な笑顔で言った。雪奈は呆然とその様子を見守る。
「ビデオミーティングや浄化ミーティングのような集まりをいつでも行える拠点があればいいと思うの。会社帰りや少し時間ができたときに、そこにやってきてね。瞑想をしたり、オーガニックティーを飲んだり、アロマでリラックスしたり。私と雪奈さんで治癒の施術もできるわ」
「それが……集いのサロンですか……?」
雪奈はどこか遠いところの話のように尋ね返した。今、雪奈の苦しみは目の前にある。しかし、大きな夢という形で雪奈の疲労を解消しようとしているクレマチスに、初めてズレを感じた。
「大地のパワーを感じたくても日常は余計なものが多すぎるのよ。日常から切り離された特別な空間を提供できたらとずっと考えていたの。多くの仲間たちが魂を向上させて、自己を救済できるようになれたら素敵だわ。伝道者たる私たちの使命じゃないかしら」
「クレマチスさん……」
その救われる存在に自分は入っていない気がした。雪奈が言葉に迷う間に、ひたすらに明るい調子でクレマチスは続けた。
「都内の中心部がいいわね。閑静だけど立ち寄りやすい場所を探さなきゃ。私とあなたで共同経営という形にして、会員制にしてオンラインサロンのメンバーを優遇して……」
途方もない夢の話に、雪奈は置いてきぼりの心地になり、また一方で若干冷静さも取り戻していた。どう考えても採算が取れる事業ではないだろう。しかし、信頼するクレマチスを簡単に否定もできない。
「クレマチスさん、その件は少し考えさせて。今はいっぱいいっぱいで、考える余裕がないんです」
「そうよね。わかるわ。ユキナさん、そういうときこそ瞑想よ。大地のパワーを時間をかけて身体中めぐらせるの。あなたならきっとそれだけで自分の治癒ができる」
なんだかよくわからないまま、通話は終わった。
心身ともにくたびれていたし、もう何もしたくなかった。ソファに横になり、絆が起き出してくるまで雪奈も眠りについた。