不滅のユースティティア。
「───……ルス……せんぱい」
静かだ。
あれはぜんぶ夢だったんじゃないかと思ってしまうくらい、あたりは静寂と穏やかな光が包んでいた。
「…もう大丈夫だよ、江架」
目を開くと、私に影を落とすように見下ろしている逆さまの彼は、やさしく微笑んだ。
ルス先輩の膝の上、預けた私のあたま。
ふわっと、頬が撫でられる。
「江架、どうして泣いているの」
「……まほう…、」
「魔法?」
「…やっぱり魔法、できなかった…っ」
退学だ。
あんなに付きっきりで特訓してくれたのに、私を信じてくれたのに。
ぽろりぽろり。
隠すことなく涙をながす私に、ルス先輩は笑った。
「合格だよ」
「……ごう、かく…?」
「うん。きみは無事に魔力開花したんだ」
ちょっと驚いたけどね───と。
あんなにも散らかっていた理事長室は、綺麗に元通り。
容赦なく割れていた窓も、ぜんぶぜんぶが戻っているから。
やっぱりあれは夢だったのかもしれない。