ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。

「私の荷物、たったこれだけだったんだなって思うと、なんだか脱力しちゃって」
説明しながらもなぜか目の奥がジンジンと熱くなってきた。

このままじゃ泣いてしまいそうだ。
そう思ったのもつかの間、目の奥に感じた熱はすぐに涙となって溢れ出してきていた。

子供みたいにボロボロと溢れてきた涙を止めることができなくて日奈子が手の甲で何度も何度も拭う。
それを見た光が日奈子の隣に座り、そっと肩を抱き寄せた。

一瞬体を固くした日奈子だけれど、すぐに力を抜いて光に体を預けた。
「大丈夫心配しなくていい。お前はこれからここで、お前自身の好きなもの集めていけばいいんだ」

光は優しくささやきかけて、日奈子の頭をゆっくりと撫でたのだった。