ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
ヒナの物語
いくら相手がお店のオーナーだとしても同じ空間にいてなんにもなく終わるとは思えない。
お風呂に肩までゆったいりと浸かっている日奈子は、いつの間にか出るタイミングがわからなくなっていた。

ついさっきまで光の胸を借りて散々泣きまくっていたくせに、今は外に出れば光が待っていると思うとドキドキしてお風呂から出ることができないなんて、我ながら考えすぎだと思う。

でも、オーナーが1人の嬢を自分の家に住まわせるということは、そういう関係になることを想定してもおかしくはない。
光は日奈子を自分の家に住まわせることにしたのだから、つまりそれは……。

そこまで考えてブンブンと左右に首をふる。
その瞬間熱で頭がクラリとした。

このままお湯に浸かり続けたら完全にのぼせてしまう。
これ以上光に迷惑はかけられないと、勇気を出して日奈子はお風呂から出た。
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