財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

 ようやく挨拶をして部屋を出てきた崇さんは、私の顔をじっと見ている。

「香月はさ、俺がいなくなったら寂しい?」

 びっくりした。元のお茶目な彼に戻ったのかな?

「そうですねえ、お顔がしばらく見られなくなるのは寂しいですね」

「香月……君にあちらから戻ったら頼みたいことがあるから、そのつもりでいて欲しい」

 頼みたいこと?何だろう。とにかくじっとこちらを見ているし、わからないけど返事をする。

「はい、わかりました。お気をつけて行ってきて下さい」

「ああ、お前も元気でな」

 綺麗な笑顔を見せてくれた。やっぱりイケメンだなあと美しい笑顔にしばし見とれてしまった。最低でも二週間に一度は必ず訪ねてきてくれていた。そんな彼がいなくなるのかと思うとやはり寂しかった。
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