財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

「うん、やっぱりうまい。コーヒー担当として連れて行きたいところだよ」

 すると、専務が笑って言う。

「君もそんな誘い文句しか言えないようじゃダメだな」

「……専務!」

 崇さんが声を上げた。私はとにかくすぐにこの場を去った方がいいだろうと思った。

「……失礼します」

 私はコーヒーを専務の前にも置いて、二人に礼をすると部屋を後にした。

 一体どうしたんだろう?いつもの和やかな感じがみじんもない。

 出発前の緊張感が彼を包んでいたのは入る前から気づいてはいた。いつも私のこともいじるのに、それもなかったからだ。

 そしてその後一時間以上部屋にこもりきりだった。彼が留守の間のことを話し合っていたのかもしれない。
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