憧れの街で凄腕脳外科医の契約妻になりました。


 手術当日、

「亜矢ちゃん、昨日は良く寝れたかなー?」

 仁田先生の陽気な声と共に、和登さんと他のお医者さんが一日の流れの説明をしにやってきた。

 術後はICUという、集中治療室に一日だけ入るらしい。

 その後、個人の病室に戻った後に詳しく話してくれるそうだ。説明を受けた後、仁田先生は「ほらほら、さっさと出る!」と、他のお医者さんの背中を押し私の病室から出て行ってしまった。

 和登さんは「少し話そうか」と、私のベッドの近くのイスに腰掛けた。

 ……謝ろう。きちんと自分の気持ちを伝えよう。

 もう話せるタイミングなんてないんだから。


「私、以前、和登さんに酷いことを言ってしまってごめんなさい。ずっと後悔してたんです。和登さんのこと好きなのに、大切なのに、自分勝手な理由を押し付けてしまってごめんなさい」

 和登さんの目を見るなり、感情のまま自分の想いを言葉にすると、そっと抱き寄せられた。


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