世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
私をバカにした報いは?~もみじside~
恋愛小説ランキング1位――
その瞬間、やっぱり理仁さんに相応しいのは私だと思った。


必死に書いて完結させた小説が、大手投稿サイトで1位になった。
母親が子育てを放棄、母親のいとこがその子を育て、父親であるイケメン御曹司に「俺が本当に好きなのは君だ」と言われ、結ばれる話。


1位になった途端、たくさんの人が読んでくれて、いきなり読者の数が増えた。みんな、母親じゃなくて、ヒロインの私の方に共感してくれたんだ。


私も結仁の子育てを手伝った。
一生懸命可愛がった。
結仁は私をとても慕ってくれてる。


だからきっと、理仁さんも私に感謝してるはず。
ちゃんと話せばわかってくれる。
感情的になったのがいけなかったんだ。
大丈夫、大丈夫。


そう思ったら、私の指が勝手にスマホの画面をタッチしていた。


理仁さん、お願い、出て――


何度もコールする。
出ない、またかける。
同じ音が延々と続く。
< 129 / 192 >

この作品をシェア

pagetop