年上幼馴染の一途な執着愛

お断りと報告

*****


「浅井さん、おはようございます」

「……秋野さん、おはよう。ごめんね、待ったでしょ」

「いえ、私もついさっき着きましたので」


翌朝、いつもより早めに家を出た私は、出勤前に駅前で浅井さんと待ち合わせをしていた。
昨日、日向が帰った後に浅井さんに


"お話ししたいことがあります"


と連絡したところ、朝出勤前に少し話そうと言ってくれたのだ。


「昨日のことだよね?」

「はい……」

「ここじゃ人が多いし、ちょっと場所移動しようか」


ありがたい提案に頷き、浅井さんの一歩後ろを歩いてカフェへ進む。
案内されたテーブル席でコーヒーを注文した。


「それで、聞かせてくれる?」

「はい。あの、昨日のお話なんですけど」

「うん」

「こんなこと、私が言える立場ではないと思うんですけど。私を口説く……というお話。申し訳ないんですけどお断りさせていただきたいと……思いまして……」


自分で言っておいてなんてことを言っているんだろうと恐れ多くなり語尾が縮こまる。
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