年上幼馴染の一途な執着愛
「こりゃしんどいわな。本当は病院連れて行きたいとこだけど、もうやってねぇしな……」

「大丈夫だよ、寝てれば治ると思うから」

「大丈夫なわけあるか。今お前三十九度もあるんだぞ?今薬持ってくるから待ってろ」


え、そこまで上がったの?
久しぶりの高熱に驚きを隠せない。
日向は薬と一緒に買ってきてくれていたらしいゼリーも持ってきてくれて、身体を起こしてもらう。


「食べられそうか?」

「わかんないけど……何か食べないと」

「ん。待ってろ、今食べさせてやる」


日向は当たり前のようにゼリーを開けて、私に一口ずつ食べさせてくれた。


「ゆっくりでいいから」

「うん」


半分くらい食べたところでもうお腹いっぱいになり、薬を飲んでから日向の手を借りてメイクを落として歯磨きをする。


「それにしても、夕姫が熱出すなんて珍しいな」

「うん。先輩に言われるまで全然気付かなくて……会社の前で倒れそうになっちゃって、営業部の人に家まで送ってもらったの。次出勤したら謝らないと……」

「そうか、その人には謝罪だけじゃなくてちゃんとお礼も言っとけよ」

「え?」

「俺が来た時、玄関のドアにスポドリとかプリンとか色々入った袋ぶら下がってたから。多分その人だろう」


ほら、と見せられたコンビニの袋には、飲み物や軽めの食べ物がたくさん入っていた。
浅井さん、わざわざあの後買ってきてくれたのかな……?
今度菓子折りでも持って行かなきゃダメだな……。


「ま、なんにせよ今はゆっくり休んで治すことだけ考えろ。今日は金曜だし、土日で治せ」

「うん。わざわざきてくれてありがとう」

「ん。じゃあもう寝ろ。お前が寝るまでそばにいてやるから」

「ありがとう……」


私が眠った後日向が家に帰れるように、スペアの鍵を渡しておく。
それを受け取りつつも、日向は私が一人だと心細いのをわかってくれているのだろう。私が横になったのを確認してからベッドサイドに座って、私の手をぎゅっと握ってくれた。
目を閉じながらその手に擦り寄ると、頬に柔らかい感触がしてうっすら目を開ける。


「……おやすみ、夕姫」


その優しい声を聞いて、もう一度目を閉じた。
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