年上幼馴染の一途な執着愛
翌朝、目が覚めたのはお出汁の良い香りがしたからだった。


「ん……」


身体を伸ばしたら、頭がガンガンして唸る。
その声を聞いたのか、


「夕姫? 起きた?」


と日向がやってきた。


「ひなた……? あれ……? かえったんじゃ……」

「まさか。こんな病人一人置いて家で寝てられるかよ。途中で着替え取りに帰っただけで、悪いけどソファで仮眠させてもらったよ。ほら、飲め」


渡された麦茶を一口飲む。


「私なら大丈夫なのに……」

「うるさい。黙って俺に看病されてろ」

「はい……」


日向は本当に一度家に帰ったらしく、服装はスーツじゃなくラフなものに変わっていた。


「勝手にキッチン借りてお粥作ったんだけど食べられそうか?」

「うん、食べたい」


昨日よりも食欲が湧いてきたような気がする。
お出汁の香りはお粥のものだったのか。


「じゃあまず熱測って。汗もかいてるだろうから着替えてからな」

「うん」

「俺あっちでお粥用意してるから」


日向に言われるがまま着替えて、体温計で熱を測る。
顔もベタベタする気がする。熱測ったら洗いに行こう。


「ひなたー、三十七度二分ー」

「おー、下がってきたな、えらいえらい」

「顔洗ってくる」

「気を付けろよー」


適当に顔を洗って、日向の元へ戻る。
一人用の土鍋で作られたお粥は、卵で閉じてあっておいしそうな匂いが漂っていた。
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