可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

「僕も見たいものがあったんだ」

 ふたりは並んで店に入る。

 素朴な洋品店では、町人たちが着るカジュアルな服が所狭しと並べられていた。

 カゴに乱雑に積み上げられた衣服たちをワクワクしながらあさってみる。

 シンプルなブラウスから、可愛らしいスカートまで、いろいろな種類がある。華やかなワンピースはお祭り用だという。素朴な刺繍が入ったエプロンや、スカーフ、靴や鞄もある。

 ルシアはウキウキとして服を何点か買い求めた。自分で選んだ自分好みの服を、誰の目も気にせずに着ることができる。

 そんな些細なことが嬉しかった。

「新しいレ皮エプロンが欲しいんだ」

 カイルは言った。魔導具作りには必須のアイテムである。
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