可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「……え……」
ルシアの口角が自然と上がり、頬が赤らみ綻んでくる。胸がドキドキと高鳴り、フワフワとした気持ちになる。
「……素敵」
小さく呟くルシアの声を、カイルは聞き逃さなかった。
「これをプレゼント用にしてください」
カイルは店主に告げる。
「ダメよ! カイル!」
「これは、僕からの引越祝い」
「でも!」
「僕が履いてほしいから」
「だって、私、ハイヒールなんて履いたことないもの。きっと上手く歩けない。宝の持ち腐れになっちゃうわ」
ルシアはそういうと、椅子から立ちあってみせる。初めて履くハイヒールは心許なく、膝がガクガクに震えてしまう。
その姿を見て、カイルは嬉しそうに腕を出した。