可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

「いや、だめだよ、こんなに素晴らしいもの! ただでなんて貰えないよ。お金を払わせて! お願いします!!」

 今度は懇願しはじめる始末である。

 ルシアは胸がいっぱいになる。

 自分が作った物で、こんなに喜んでもらえることはなかった。子爵家にいた頃は、お礼のひとつも言われたこともない。

 一生懸命寝ずに考え、作り上げても当たり前のように取り上げられていたからだ。

「ううん。いいの。私の気持ちだから。カイルには感謝してるの。だから、受け取ってくれるのが私にとって一番なの」

 そう言ってルシアが笑うと、瞳から涙が一粒転がり落ちた。

 今までの苦しみがカイルに救われ、光りの結晶となり放たれたのだ。
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