可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
いつでも明るく気丈に振る舞うルシア。しかし、震える肩は細く薄い。
天才魔導具師といえども、心は普通の少女なのだ。それなのに、彼女はファクト子爵家を守るためひとり戦ってきた。
「そっか……。ルシアの魔導具はどれもみんな素晴らしいよ」
「……」
「僕は知ってる。君が使う人のことを考えて、一生懸命作るから、魔導具たちはそれに答えてくれるんだって」
カイルはルシアに言い聞かせるように、背中をポンポンと叩いた。健気なルシアを愛おしいと思う。同時に彼女を虐げてきた人間を苦々しく思っていた。
もう彼女を苦しめたくない、心からそう思う。
「……カイル、ありがとう」
ルシアはそう言って顔を上げた。