可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
しかし、いつものカイルは長い前髪で顔を隠し、魔導具眼鏡で瞳の色を茶色に変えていた。
それなのに、今日のカイルはまったく違う。
前髪をきちんとセットし、眼鏡を外し、隠されていた瞳があわらになっている。
服装は最先端のデザインで、生地も上等な物だ。商人といっても、この国の下手な貴族よりは裕福なのだとわかる。
カイルは、吸い込まれそうな青い瞳でルシアに甘く微笑んだ。
「変かな? 今日で学園は最後だし、パーティーだから頑張ってみたんだけど。やりすぎちゃった?」
はにかむようにカイルが言い、ルシアはブンブンと頭を振った。
「そんなことないわ。とっても似合ってる!」
逆にルシアは自分の格好が恥ずかしい。どう見ても時代遅れのデザインで、明らかに使い古されたドレスだ。
「良かったら、僕の馬車で一緒に行こうよ。ルシア」
カイルはそんなルシアに手を差しだした。真っ白な手袋が眩しい。