可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「好き?」
「ええ、松脂の香り。カイルが好きで良かった! 嫌いな人も多いから心配だったの」
「……松脂の香りか……」
カイルは脱力したように呟くと、苦笑いしつつルシアを見つめた。そして、おどけたようにウインクする。
「では改めて……。僕の馬車に乗っていただけませんか? 僕のレディー」
キザな台詞をコミカルな調子で言う。なぜかカイルが言うと嫌みではない。カイルの明るい性格がそうさせるのだ。
ルシアの陰った心が、一瞬で軽くなる。
ルシアはフッと小さく笑った。
「お願いしますわ。白馬の王子様」
ルシアも軽く答えて、カイルの手を取った。