可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

 ルシアの前では軽い調子をみせていたカイルだが、内心怒り心頭に発していた。

(僕がルシアの婚約者なら、こんな思いをさせないのに!)

 カイルはたまたま見てしまったのだ。

 ルシアの婚約者が、彼女の妹とふたりで卒業パーティーへ向かうところを。

 ルシアがいつも婚約者から粗雑に扱われているのも知っていた。婚約しているとはいっても、ルシアとレモラのあいだには愛はない。誰が見てもそれは明らかだった。

(でも、しかたがない。ルシアは婚約している。不名誉な噂で彼女を傷付けるわけにはいかない)

 ギュッと胸元のロケットペンダントを握り絞め、切なくため息をついた。
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