可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
カイルにとってルシアは特別な存在だった。
カイルがヒベルヌス王国に留学したばかりの頃、変装用の瞳の色を変える魔導具眼鏡をレモラに壊されてしまったのだ。それを直してくれたのがルシアである。
しかも彼女は、地味な平民として馬鹿にされていたカイルを差別することなく、同等に笑いかけてくれた。
平民の留学生と仲良くすることで、ルシア自身も白い目で見られることも気にせずに。
カイルはそんなルシアの優しく勇気ある姿に心を打たれた。
偏見で相手を決めつけず、寄り添い助けてくれたルシアを好きになってしまったのだ。
しかし、ルシアには婚約者がいた。親の決めた政略結婚、そのうえ、婚約者はルシアを粗雑に扱う。
それでもルシアは相手を婚約者としてたて、家のためにと健気に尽くしてきたのをカイルは知っていた。
だからこそ、簡単に恋心を伝えることはできずにいたのだ。