可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

 たしかに、ルシアの爪は美しかった。それは、作業で汚れた爪先を隠すためのつけ爪をつけていたからである。

 レモラの尻拭いをしたり、侯爵家の依頼をこなしたりしつつ、学業を修めてきた彼女は、いつも疲れていた。

 だから、やつれた表情を濃いメイクでごまかし、汚れた爪をつけ爪で隠した。これも、すべて侯爵家に恥をかかせないように配慮しただけだ。

(婚約者をやつれるまでこき使えば、周囲からの目が痛いとは思わないのかしら?)

 ルシアはただただ呆れて言葉もなかった。

「そんな言い訳、嘘ばかりの女は侯爵家に相応しくない。図体(ずうたい)ばかりでなく態度もでかい女め! 今日の場を持って婚約破棄とする! そして、ミゼルを婚約者とする!!」

 レモラは得意満面(とくいまんめん)に宣言した。
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