可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「あまり目立つのは好きではないので、いつもは眼鏡をかけていましたが、今日はあなたのために、本来の姿でやってきました」
カイルはルシアを見て甘く微笑んだ。
ルシアは突然の申し出に混乱する。いつもとは違う口調にも緊張してしまう。
「っえ? あなたもグルなの?」
「違います! 僕はずっとあなたのことをお慕いしていました。でも、婚約者のいる方でしたので、想いに蓋をしておりました。しかし、今、婚約破棄されたと聞き、次の婚約者として名乗りを上げても良いかと思ったのです」
カイルは切なげに訴える。
その真っ直ぐな瞳からは嘘だとは思えない。丁寧な言葉遣いから、誠実さも感じられる。
しかし、婚約者と妹に裏切られたばかりのルシアは、まだ今はカイルの愛を受け止める余裕がなかった。
言葉を失うルシアの手を、カイルは自分の額に押しつけた。
「どうぞ、僕を選んでください。道具にも等しく愛を注ぐあなたに僕の心は奪われました」
女子学生たちの歓声があがり、ルシアはハッとした。