可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

「迷惑などではありません。僕から申し出たのですから」

 カイルが丁寧な言葉で答えるのは、相手がルシアの親だからだ。

 それにルシアが説明を加える。

「それに、私はもうレモラ様の婚約者でありません。ミゼルが婚約者になりました」

 ルシアの言葉にローサはハッとし、ニヤリと笑った。

「ああそう。妹に婚約者を奪われるなんて、なんて惨めな子。でも、これも自業自得ね」

 継母の言葉に、カイルは驚き顔をしかめた。

(これが家族に向かって言う言葉? この一言で、ルシアがこの家でどんな目に遭ってきたかわかってしまう)

 ルシアは意に介さないように笑っている。慣れっこだったからだ。

 それがカイルには切ない。
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