先輩!

医師も看護師も居ないそこを見て、部長も野口さんも虎太郎もわたしも。


駆けつけた全員が良からぬ想像をして呆然と立ち尽くす。


血の気が引いて目眩がした。倒れそうになったところを、虎太郎がとっさに抱きとめてくれた。


あれだけわたしを叱ってくれて励ましてくれた虎太郎ですら、目を真っ赤にして涙をこらえている。




「芽衣に触んなよ」


後ろから聞こえたその声に、振り向くより早く涙が溢れた。


虎太郎と2人、その場に崩れ落ちた。



「先輩...」



ストレッチャーに乗せられた先輩の顔は、左半分が赤黒く腫れ上がっていて、首を医療用コルセットで固定されていた。

左腕は吊り上げられ、金属の板を添えられ包帯で何重にも巻かれている。


でも声はしっかりしていて。




-ーーー無事でよかった



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