先輩!
看護師数人がかりで、敷シーツごとベッドに移された先輩。痛々しい姿だけれど、部長たちに向かってしっかりと話をしている。


そのそばで、看護師が2種類の点滴をセットし始めた。抗生剤と痛み止めらしい。

よろよろと、なんとか虎太郎と立ち上がり、その様子を遠目から眺めた。

「話しはります?」と先輩に尋ねた看護師が、枕元のボタンを操作してリクライニングをあげ、何かあったら呼んでくださいとその場を後にした。


「ご心配をおかけしてすみません。わざわざこんな遠くまで来てもらって、」

「怪我の程度は?とにかく無事でよかった」

「今までずっと検査でした。CTやらMRIやらレントゲンやら。ケガというケガは腕が折れてるくらいじゃないですかね。めちゃくちゃ痛いです。腕だけじゃなくて体中が。腕は明日手術するって言われました」

「そうか...全身むち打ちだな。ほかは?頭とか、」

「頭と内蔵は異常なしです。でも今日はなるべく頭を動かさないようにってこれはめられてます。窮屈ですこれ」


右手で首をゆびさした先輩が、チラっとこっちに目線をやった。

目が合って、右目を細めて微笑んでくれた。


それだけで胸が締め付けられた。
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