先輩!
先輩の瞳から笑みが消えた。じ、と真剣なそれに、どこか痛むのか、具合が悪くなったのかと心配で悩乱する。


「先輩?痛みますか?」


「芽衣、結婚しよう」


驚きとそれ以上の喜びが押し寄せる。

やっと収まりつつあった涙が、また止まらなくなった。


「芽衣?」

「わたしが言いたかった」

「芽衣が?」

「うん。ここに来るまでに決めたの。先輩にプロポーズするって」

「そっか、生きてて良かった」


痛々しい顔の先輩。腫れているせいか、喋りづらそうにしているけど、目は力強く、優しい。


「返事は?」

「します...する。絶対する!先輩、結婚してください!」


やっぱりちゃんと言えなくて。


でも先輩の右の目尻に優しさが現れ、「いいよ」と笑った。
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