先輩!
「痛くない?」
「バカ痛い。でもやめたくない」
先輩がわたしの後頭部を押さえ離さない。
先輩の力が強くて。
先輩に体重をかけないようにベッドに手をついていたのに、次第に先輩の右半身にしなだれかかっていた。
「芽衣...芽衣を感じさせて。生きてる実感、」
「せ、んぱい、」
わたしの涙と、微かに、血の味。頭も身体も痺れるようなキス。先輩の無事を心の底から喜び夢中になっていると。
「翔!」
シャ、と勢いよくカーテンが開いて慌てて振り返った。
そこには見たことのない中年の男女2人が驚いた顔で立っていた。長身でスーツ姿の男性。それから、お上品で優しそうなご婦人。
その人たちが先輩のご両親だとすぐわかった。