先輩!
「佐々木さあ、野口さんのこと本気じゃないよな?彼女いるしな」
「プライベートなことにはお答えできません」
「うざいうざい、そういうのいいから」
「そりゃ先輩のほうが俄然かっこいいですよ。イケメンだし背も高いしお洒落だし。でも野口さんの雰囲気が好きなんですよね。着ぐるみ着たゆるキャラというか、全体的に柔らかそうで、癒し系じゃないですか?」
「あっそ」
「それに彼女と長いらしいですし、本気じゃないですよ」
先輩はそれには無言で、社の契約駐車場に車を止めた。社用車はすべてが止まっていて、私たちが最後の帰社組だったらしい。
今日は今行ってきた取引先の希望商品の見積もりを作って終業。そのあと野口さんと食事だ。がんばろ。