先輩!
「久保ー、佐々木さーん、行ける?」

「「はい」」


部屋のドアの前からの野口さんに、先輩が軽く頭を下げる。

え。え。


「先輩も一緒だったんですか?」

「言ってなかったっけ?」

ふん、と鼻で笑った先輩。わざと言わなかったんだ!


「恥ずかしいじゃないですか。浮かれる私を見て心の中で笑ってたんですね」

「いや、かわいいやつだなって思ってただけ」

「今鼻で笑ったじゃないですか」

「気のせいだろ?」


ほら野口さんを待たせるなと急かされ、二歩先行く先輩を追いかけた。
< 5 / 371 >

この作品をシェア

pagetop