先輩!
「芽衣と別れたあと自分と向き合った。考えて、行動して、同僚の先生たちにも相談して、通院して薬も飲んだ」

「・・・」

「今はもう、あの頃みたいに弱くない」


ふう、ため息を吐いた玲央が一瞬宙を仰ぐ。右ポケットから取り出した、濃紺の小さな四角い箱を渡された。

それが何であるかすぐわかって、手が震えてくる。


「俺と結婚してください。もう離れたくない」


言葉が出なかった。ギュウ、と胸が締め付けられて、呼吸が苦しい。


「開けてみて。それ、プロポーズリングなんだ。最近そういうのがあるって職場の先輩が教えてくれた。本物は後でふたりで買いに行けばいいって」


玲央の言っていることが、全く頭に入ってこない。
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