人の顔がすべて『∵』に見えるので、この子の父親は誰かがわかりません。英雄騎士様が「この子は俺の子だ」と訴えてくるのですが!
彼女から笑顔を引き出せたことに、やっと心が凪いだ。
食事を終え、食器類を片付ける。
「ルシア嬢。洗い物は、俺がやる……」
「え?」
「一宿一飯の恩義。これは、俺が第二騎士団にいつも言っていることだ。今日は一宿はしてないが、食事の礼としてやらせてくれ」
「ですが……。殿下は洗い物なんてできるんですか?」
「ククトの街では、自分のことは自分でやっていたからな。食事だって当番制だったし。君が思っているよりも、できると思うが?」
「そうなのですね。ではお願いします。私、義父の食器を下げてきますので」
少しだけ、ルシアと打ち解けたような気がした。
「カイルも、じいじのとこ、いく」
ルシアが食堂を出ようとすると、カイルもそれにくっついていく。
一人になったカーティスは、黙々と食器を洗い始めた。
まだルシアにはいろいろと伝えていないことはあるが、カイルとはずいぶんと距離を縮められたような気がする。
黙々と食器を洗っていると、ルシアが空になった食器を銀トレイの上にのせて戻ってきた。一緒にいたはずのカイルの姿は見当たらない。
「カイルは?」
「お腹いっぱいになったら眠くなったみたいで、義父のところにおいてきました」
「そうか」
ちょっとだけ寂しい気持ちになった。
食事を終え、食器類を片付ける。
「ルシア嬢。洗い物は、俺がやる……」
「え?」
「一宿一飯の恩義。これは、俺が第二騎士団にいつも言っていることだ。今日は一宿はしてないが、食事の礼としてやらせてくれ」
「ですが……。殿下は洗い物なんてできるんですか?」
「ククトの街では、自分のことは自分でやっていたからな。食事だって当番制だったし。君が思っているよりも、できると思うが?」
「そうなのですね。ではお願いします。私、義父の食器を下げてきますので」
少しだけ、ルシアと打ち解けたような気がした。
「カイルも、じいじのとこ、いく」
ルシアが食堂を出ようとすると、カイルもそれにくっついていく。
一人になったカーティスは、黙々と食器を洗い始めた。
まだルシアにはいろいろと伝えていないことはあるが、カイルとはずいぶんと距離を縮められたような気がする。
黙々と食器を洗っていると、ルシアが空になった食器を銀トレイの上にのせて戻ってきた。一緒にいたはずのカイルの姿は見当たらない。
「カイルは?」
「お腹いっぱいになったら眠くなったみたいで、義父のところにおいてきました」
「そうか」
ちょっとだけ寂しい気持ちになった。