愛なき政略結婚は愛のはじまりでした
 ほんの少しの間だけ横になるつもりが、次に目が覚めたときにはすでに深夜になっており、家の中は電気が消されて暗くなっていた。

 音を立てないよう静かに一階へ下りてみれば、誠一郎はソファーでぐっすりと眠っている。雅がベッドを使ってしまっていたから、こちらで寝ているのだろう。

 できれば誠一郎をベッドで寝かせてやりたいが、雅の力では誠一郎を運べないし、よく眠っている誠一郎を起こすのも忍びない。

 雅は朝起きたら謝ろうと決めて、大人しくベッドへと戻った。

 時刻は深夜の一時半。この時間ならば、清隆はとっくに家に帰っていて、すでに寝てしまっている頃だろう。もしかしたら清隆からの連絡があったんじゃなかろうかと自分の携帯電話を確認してみたが、残念ながら着信履歴は一件もなかった。

 それを淋しく思いながら、雅はもう一度眠りへと落ちていった。
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