愛なき政略結婚は愛のはじまりでした
「お前がやったことの証拠は揃っている。言い逃れはできないからな」
「くそっ、なぜだ! なぜ、いつも私ばかりが割を食うのだ……私より早く生まれたというだけで、何もかもを奪いやがって!」
怒りをあらわにして叫ぶ浩二に対し、義父は深いため息をこぼしている。
「お前は何もわかっていない。お前を今のポストに置いたのは、その実力を認めていたからだ。長男というだけで社長の地位についたことは私も負い目に感じていたんだ」
「ふんっ。誰がそんな戯言を信じる?」
「私はいつだってお前を追い出せたが、そうはしなかっただろう?」
「それは……」
「お前が会社をいい方向へ導いてくれるなら、私の今のポストさえ譲っていいと思っていた。お前が新たに始めようとしていた笹崎との取引も、真っ当なものならば私はきっと評価しただろう。清隆を後継と決めたわけでもない。お前にも平等にチャンスはあったんだ。だが、お前は見事に裏切ってくれたな」
「そんな……嘘だ……」
義父の言葉に浩二は深く項垂れている。
雅は義父の心情を思うと胸が痛くなった。期待していた人からのこの裏切りはとてもつらいに違いない。
義父の表情は雅からは見えないが、その声音から深い悲しみが伝わってくる。
「お前は、挙句の果てに甥の妻に横恋慕までして。愚かだな。会社も人も、歪んだ方法で手に入れたって、もろく崩れ去るだけだ」
浩二はもう何も言えずに、両手で顔を覆って深く俯いていた。
「くそっ、なぜだ! なぜ、いつも私ばかりが割を食うのだ……私より早く生まれたというだけで、何もかもを奪いやがって!」
怒りをあらわにして叫ぶ浩二に対し、義父は深いため息をこぼしている。
「お前は何もわかっていない。お前を今のポストに置いたのは、その実力を認めていたからだ。長男というだけで社長の地位についたことは私も負い目に感じていたんだ」
「ふんっ。誰がそんな戯言を信じる?」
「私はいつだってお前を追い出せたが、そうはしなかっただろう?」
「それは……」
「お前が会社をいい方向へ導いてくれるなら、私の今のポストさえ譲っていいと思っていた。お前が新たに始めようとしていた笹崎との取引も、真っ当なものならば私はきっと評価しただろう。清隆を後継と決めたわけでもない。お前にも平等にチャンスはあったんだ。だが、お前は見事に裏切ってくれたな」
「そんな……嘘だ……」
義父の言葉に浩二は深く項垂れている。
雅は義父の心情を思うと胸が痛くなった。期待していた人からのこの裏切りはとてもつらいに違いない。
義父の表情は雅からは見えないが、その声音から深い悲しみが伝わってくる。
「お前は、挙句の果てに甥の妻に横恋慕までして。愚かだな。会社も人も、歪んだ方法で手に入れたって、もろく崩れ去るだけだ」
浩二はもう何も言えずに、両手で顔を覆って深く俯いていた。