愛なき政略結婚は愛のはじまりでした
「どう、して……」
雅が清隆の持つ避妊具を絶望的に見つめていれば、清隆は雅としっかりと目を合わせてから話しはじめた。
「雅。もう跡継ぎのことは気にしなくていい」
「ですが」
「そもそも跡継ぎは不要なんだ」
「え?」
「母が言う血筋というものは加々美家にはほとんど関係がない。母自体分家の出だからな。我々が気にすることではないんだ。それにエンリッチの後継者という意味でも必要はない」
「どうしてですか?」
「父は完全な実力主義だ。私だって次期社長と決まったわけではない。他に優秀な人間がいれば、加々美の者でなかったとしても後継にするだろう」
清隆から語られたその真実に雅は大きく目を見開く。雅は今の今まで知らなかった。てっきり加々美の家のものに継がせていくものだと思っていた。義母がうるさく言っていたのも、その血筋の話というよりはエンリッチの後継者のほうを求めているのだとそう思っていたのだ。
「本当にそうなのですか?」
「ああ。本当だ。だから、私たちの間に生まれた子は何にも縛られない。もちろん跡継ぎにもなれるようにそれなりの教育はさせるだろうが、跡継ぎと決めて育てるわけではない。だから、その心配はしなくていいんだ」
「はい……」
急に前提が覆ってしまって、どう捉えたらいいのやらわからない。清隆に愛してもらえるこの行為を雅はもう好きになってしまっているが、跡継ぎが必要なくてもするのだろうかと、そんな疑問まで浮かぶ。
雅のその戸惑いが伝わったのか否か、それはわからないが、清隆は雅の疑問に答えるように、この行為の理由をくれる。
「跡継ぎとしてではなく、君が本当に私との子を欲しいと望むまでは、子作りはお預けだ。だが、私は君を愛したい。だから、今はただ私に愛されていなさい」
清隆はその言葉通りに雅をこれでもかと愛してくれた。彼の全身で伝えてくれた。雅を愛していると。雅も自分のできる精一杯で想いを返した。
二人はこの晩、深く深く愛し合った。
雅が清隆の持つ避妊具を絶望的に見つめていれば、清隆は雅としっかりと目を合わせてから話しはじめた。
「雅。もう跡継ぎのことは気にしなくていい」
「ですが」
「そもそも跡継ぎは不要なんだ」
「え?」
「母が言う血筋というものは加々美家にはほとんど関係がない。母自体分家の出だからな。我々が気にすることではないんだ。それにエンリッチの後継者という意味でも必要はない」
「どうしてですか?」
「父は完全な実力主義だ。私だって次期社長と決まったわけではない。他に優秀な人間がいれば、加々美の者でなかったとしても後継にするだろう」
清隆から語られたその真実に雅は大きく目を見開く。雅は今の今まで知らなかった。てっきり加々美の家のものに継がせていくものだと思っていた。義母がうるさく言っていたのも、その血筋の話というよりはエンリッチの後継者のほうを求めているのだとそう思っていたのだ。
「本当にそうなのですか?」
「ああ。本当だ。だから、私たちの間に生まれた子は何にも縛られない。もちろん跡継ぎにもなれるようにそれなりの教育はさせるだろうが、跡継ぎと決めて育てるわけではない。だから、その心配はしなくていいんだ」
「はい……」
急に前提が覆ってしまって、どう捉えたらいいのやらわからない。清隆に愛してもらえるこの行為を雅はもう好きになってしまっているが、跡継ぎが必要なくてもするのだろうかと、そんな疑問まで浮かぶ。
雅のその戸惑いが伝わったのか否か、それはわからないが、清隆は雅の疑問に答えるように、この行為の理由をくれる。
「跡継ぎとしてではなく、君が本当に私との子を欲しいと望むまでは、子作りはお預けだ。だが、私は君を愛したい。だから、今はただ私に愛されていなさい」
清隆はその言葉通りに雅をこれでもかと愛してくれた。彼の全身で伝えてくれた。雅を愛していると。雅も自分のできる精一杯で想いを返した。
二人はこの晩、深く深く愛し合った。