愛なき政略結婚は愛のはじまりでした
 そして、子作りを再開してから約一ヶ月後。雅はしっかりと線が出たそれを信じられないという気持ちで見つめる。この結果が正しければ、雅は望む未来を手にしていることになる。雅のお腹に新たな命が宿っていることになるのだ。

 義母から責められていたあの頃は、あんなにもできなくて悩んでいたのに、再開してこうもすぐにできるものなのだろうか。

 妊娠検査薬の精度は高いはずだから、きっと間違ってはいないのだろうがどうしても簡単には信じられない。今ここで信じて、もしも違っていたらショックだ。そう思うとまだ喜べない。

 とにもかくにも病院に行かなければならないことだけは確定しているが、清隆への報告をどうすべきかで雅は悩んだ。

 病院で調べてもらって確定してから告げたほうがいいのではないかとは思うが、万一のことを考えると先に告げておきたい気持ちもある。もしものときに一人きりで抱える自信がないのだ。

 雅はその不安な気持ちごと受け止めてほしくて、結局は今の状況を正直に清隆へ告げる選択を取った。
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