彼に抱かれ愛を弾く 〜ベリが丘恋物語〜
会計を済ませ、ホテルへ戻ると思いきや、迎えにきた黒塗りのセダンに乗せられ、ベリが丘のノースエリアにやって来た。
守衛のいる門を抜け、目に飛び込んできたのは、まさしく高級住宅街といった景色だった。
洗練された閑静な街並みにため息をこぼしている間にも、車は高台へと進む。
減速したセダンが停車したのは、全く奥の様子が伺えない重厚な門の前たった。
門が開き中へと進む。
ガーデンウエディングが出来そうな庭を堪能していると、正面入り口の車寄せに停車した。

高級感漂うモダンな門構えだ。

運転手が後部座席のドアを開け、降りるよう促してくれた。

「ありがとう、お疲れさま」

沙織さんが運転手に声をかけ、私も「ありがとうございました」と頭を下げた。

「あのぅ……ここは?」

「実家よ。私、実家に住んでいるの」

「何故私はここにいるのでしょうか?」

「美味しい紅茶があるの。美音ちゃんに飲んで欲しくて。紅茶大丈夫?嫌いではない?」

「嫌いじゃないです。好きです」

「よかった。行きましょうか」


エントランスを抜け、建物に足を踏み入れると、玄関とは思えないほどの空間が広がっていた。私の口からは、ずっとため息しか出てこない。
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