恋神様に願いを込めて
12/8〜 推しから好きに変わる恋~紬~
「恋神様に恋の願い事をすると叶えてくれるらしいよ」
*
「昨日のロイ様、かっこよかったなあ…」
思わず声に出してしまってからハッと口を押さえて周りを見渡す。
幸い、昼休みの教室は騒がしく、誰も私の呟きには気づかなかったようだ。
ほっとしてからもう一度スマホの写真を開く。
ロイ様は私の好きな五人組アイドルのボーカル。
王子様みたいな爽やかな笑顔と優しくて甘い声が特徴で、アイドルだけではなく俳優とモデルもやっている。
昨日やっていたドラマももちろんリアタイしたくらい、私はロイ様の虜なのだ。
「ねえ聞いた?美羽と相澤くんが付き合ったの。美羽、恋神様にお願いしたんだって」
「美羽?ああ、あんたが仲のいいコミュ力高い後輩ちゃんか。えーでもさ、恋神様なんてただの噂でしょ?」
「あれは本当だって絶対ー!」
大きな声が急に隣から聞こえてきて思わずびくりと反応してしまう。
「あ、ごめんね桜庭さん。うるさくしちゃって」
「あ、いえ…」
恋神様。この前も誰かが噂していたのを少し聞いた。
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「昨日のロイ様、かっこよかったなあ…」
思わず声に出してしまってからハッと口を押さえて周りを見渡す。
幸い、昼休みの教室は騒がしく、誰も私の呟きには気づかなかったようだ。
ほっとしてからもう一度スマホの写真を開く。
ロイ様は私の好きな五人組アイドルのボーカル。
王子様みたいな爽やかな笑顔と優しくて甘い声が特徴で、アイドルだけではなく俳優とモデルもやっている。
昨日やっていたドラマももちろんリアタイしたくらい、私はロイ様の虜なのだ。
「ねえ聞いた?美羽と相澤くんが付き合ったの。美羽、恋神様にお願いしたんだって」
「美羽?ああ、あんたが仲のいいコミュ力高い後輩ちゃんか。えーでもさ、恋神様なんてただの噂でしょ?」
「あれは本当だって絶対ー!」
大きな声が急に隣から聞こえてきて思わずびくりと反応してしまう。
「あ、ごめんね桜庭さん。うるさくしちゃって」
「あ、いえ…」
恋神様。この前も誰かが噂していたのを少し聞いた。