Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
し、しがみついた……私から?
えっと、全然覚えてないのですが……
「すっすみません、ご迷惑をっ――」
「昨夜はどうだった? 夢は見たか?」
「えっ……あ、れ? いえ、見ません、でした」
二日酔いの頭痛はありつつも、悪夢に引っ張られるような絶望感は感じなかった。
素直にそう答えたら、満足そうに頷かれた。
「俺でも抱き枕程度の役目はできるだろう。魘されたら起こしてやれるしな」
だ、抱き枕ってまさか……今夜もまた添い寝してくれるってこと?
悪夢を見ないように?
ええええっそれは! それは、嬉しい、ものすごく! けど!
どどどどうしようっ!!
突然すぎて心の中でガクブルジタバタが止まらない。
せめて心の準備はさせてほしいのですが!
「でも、ぁあのっ……私、寝相があのっ」
「ごちゃごちゃ言うと押し倒すぞ」
「ひっ」
のけぞったところでトンと肩を押されて、そのまま広いベッドへ倒れ込む。
クロードさんは上から掛け布団をしっかりかけてくれてから、ネクタイの結び目に指を入れて緩める。
そして「イイコで寝てろ」と片頬をニッと持ち上げた。
……うぅ、何度見ても全身色気の塊。
処女妻には刺激が強すぎだ。
「は、い」
うっかりガン見してしまう視線を布団で半分以上隠しながら、私はなんとか小さく頷いた。