Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~

嘘嘘嘘! ははは、はやっ早くないっ?
え、そんなにもう時間経ってた?

反対側向いててよかった! グッジョブ、私!

即効狸寝入りを決め込む間にも、静かに人の気配が近づいてきて、背中の方でギシ、とベッドが微かに体重を受け止める音が……

あぁバカ!
今ビクンッて身体動いちゃった!

「すまない、起こしたか?」

「あ、いえっ……寝てます寝てますっ」

「眠れないのか?」

笑い交じりの囁きが、密やかな衣擦れとともに近づいて来る。
背後からシャンプーのいい香りが漂い――そして、私は力強い腕の中に包み込まれた。

「っ!!」

うわ。だ、抱きしめられて、る……

どうしよう、だって私、もう一度言うけどブラつけてないしっ。
その辺りに手が当たったら、絶対悲鳴上げちゃう!

ほんとにどうしちゃったんですか、クロードさん!
こんなにビックサイズのベッドなんだから、何もこんなにくっつかなくても!

たまらずゴソゴソ離れようとするが、すぐに腰を引き戻されてしまう。

「くっクロード、さ――」
「昨夜も、こうやって寝た。そうしたら、悪夢を見なかったんだろう?」

だから今夜も同じ態勢で寝ましょう、ってこと?
私のため?

「は、はぁ……」

そんな風に言われたら、無下にもできない。
えぇえええ、どうしよう……

「茉莉花がこっちを向いてくれたら、完全に昨夜と同じなんだが?」

悪戯っぽく耳元で囁かれて、頬が熱くなる。
灯りが消えてて、本当によかった。

今のは絶対、わざとだよね?
こんな意地悪な人だったっけ?

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