Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
お父さん、お母さん、久しぶり。
なかなか会いに来られなくて、ごめんね。
あれからいろいろあったけど、私ね、結婚したんだよ。
相手はとっても素敵な人です。
大切にされて、幸せだよ。
ちゃんと頑張ってるから、どうか心配しないでね。
モナカを供えた2人の遺影。
その前で2人に語り掛けてから、瞼を上げた。
そっと隣を伺うと、クロードさんは凛々しい正座姿を崩すことなくまだ手を合わせている。
随分熱心に話してるな。何について話してるんだろう。
娘さんは必ず幸せにします、とか??
考えてぼんっと赤面したところで、彼がおもむろに目を開けた――……
え?
信じられないものを見た気がして、ドキッと目を瞠る。
クロードさん……?
「ちゃんとご挨拶できて、よかったよ」
ゆっくりと瞬きを1回。
静かに私へと移した双眸は、もういつも通り凪いでいた。
……気のせい、だったのかな。
クロードさんが……泣いているように見えたのは。