Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~

高橋雪代さん……

本当に綺麗な人だった。しかも大企業の社長令嬢?
もってる人はとことんもってる、ってことなのか。

違うよね? クロードさん。
違うって言って。彼女とは何もないんだって。

ゲストはみんな会場に入ってしまったのか閑散とするロビー、その片隅でうずくまり、私は自分を守るように自分を抱きしめる。

信じていいでしょう?
いいんだよね?

思うそばから、渋谷で見かけたキス(らしき)シーンが脳内に再現されて、呼吸が浅く乱れていく。

だって、もしかしたらって、前にも考えたことある。
彼には本命の女性がいて、私と結婚したのはそれを隠すためなんじゃないかって。

もし、本命(それ)が高橋さんだったら?
彼女とは結婚できない理由が何かあって、それで仕方なく私と……

『ずっと君に会いたくてたまらなかった』
『私もよ。どうして私たち、結婚できないのかしら』
『必ず俺が総帥を説得してみせる。もう少し待ってくれ』
『まぁクロード、もちろん私あなたを信じて――……


あぁあああ……ダメだ、妄想なんかしたら、本当になっちゃいそう。
しっかりしなさい、茉莉花!

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