Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
ついさっきこのドアから出かけた時は、もう羽が生えたみたいに身体が軽くて、幸せな気分だった。
クロードさんとの関係がようやく進展するかもって……
まさか、こんなことになるなんて。
自宅の玄関ドアの前に立ち、頬を歪める。
でもね、一体誰が思いつくって言うの?
クロードさんが、富田と知り合いだったなんて……。
そう、各務蔵人はクロードさんだ。
写真の少年には、彼の面影があった。
確かに、日本生まれの日本育ちだとは聞いていたけど……。
――君も、富田譲治が犯人だと思ってるのか?
事件の話をしたあの時、富田と知り合いだって、教えてくれなかったのはなぜ?
今も連絡をとる関係だったならなおさら、教えるのが普通じゃない?
私が被害者の娘だと知ってたから、言いづらかったのかな。
そりゃクロードさんも驚いたとは思う。
まさかバーで偶然出会った女の子が、自分の過去に関わっていたなんて――
ドアに伸ばしかけた手が、ピタリと止まった。
え、ちょっと待って。
偶然、だよね?