Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~

そんな不思議な友人(?)関係は2か月ほど続き……
ミシュランの星つき、という話題のレストランの個室で一緒に食事していた時のこと。

デザートまで食べ終わったところで、前触れもなく手を取られた。

直に伝わる体温にドキリとする間もなく手の平に小さなギフトボックス――高級ブランドのダイヤの指輪入り――を無造作に乗せられて、ギョッと目を剥く。
さすがにこれは“お礼”のレベルじゃない。
さすがセレブ、金銭感覚がバグってる。


――あはは……愛人“その51”になる気はありませんよ?

ジョークっぽく裏返り気味の声で言いながら即効返そうとしたのに、彼は「愛人その51? なんの話だ」と眉をひそめて受け取ってくれない。

――他に女がいたら、プロポーズなんてするわけないだろう。

――ぷ、ぷぷ、プロポーズっ!?

プロポーズって、プロポーズって、あのプロポーズ??
結婚の前にするやつで合ってる? って、心拍数の数値が振り切れるくらいびっくりした。

絶句する私を見て、どういう訳か彼の方は不思議そう。

――付き合ったら、次は結婚だろう。

――私たちって、付き合ってたんですか!?

――…………そこからか。

よくよく話を聞いてみたら、今まで付き合っていた女性たちは、プレゼントを買ってもらった時点で勝手にそういう関係だと思い込んでくれたので、一度も告白というものをしたことがなかったらしい。

さすが、イケメンセレブは凡人の斜め上を行く思考回路を持っているんだなと、呆れてしまった。

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