Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
「……それってつまり、出会って2カ月でプロポーズってこと? うわ、何それ。運命じゃん!」
「映画みたいでロマンチックー! もらった指輪って、今つけてるそれ?」
「あ、ううん。これはマリッジリング。普段使いできるようにって、シンプルなヤツを後から一緒に選んだの」
「これがシンプル!? めちゃくちゃ高そうじゃん」
2人が身を乗り出してきたので、「値段はちょっとわかんないけど……」と言いつつ左手を見せた。
薬指に輝いているのは、小粒のメレダイヤが輝くピンクゴールドの指輪。
カーブした柔らかなフォルムも、エンゲージリングと重ね付けできるところも気に入ってる。
「ほんとキレー! 茉莉花ちゃんによく似合ってる」
「えへへ、ありがとう」
「エンゲージリングはもっと大きなダイヤがついてるんでしょ?」
「あはは、まぁそう、かな」
実際、あのダイヤは大きかった。
おかげでとても普段使いはできない。恐ろしくて。
「やっぱ旦那さんすごい稼いでるよ。社長さんなんだっけ? 年収、億いっちゃうとか!?」
「あはは……さぁ、どうなんだろ。詳しくは知らないんだ実は」
お金に困ってないことは、住まいや車、持ち物、生活費にと渡されたブラックカードを見れば一目瞭然だけど。
具体的な資産額は怖くて聞けてなかったりする。
「でも、茉莉花にも仕事辞めていい、って言ってくれたんでしょ?」
「あ、うん。最初にいろいろ相談したこと覚えてたみたいで。プロポーズしてくれた時に、ストレスになるくらいなら辞めればいいって」
その頃にはなぜか課長は地方へ転勤になっていて、セクハラに関するストレスは感じてなかった。
ただクロードさんと過ごすうち、英語をもっと本格的に勉強したくなっていたので、その時間を確保できればと彼の言葉に甘えることにしたんだ。
というか、それより驚いたのは――