Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~

「柊馬くんの学費も出してくれてるんだよね?」

知依ちゃんの指摘に、私は大きく頷いた。

学費だけじゃない。
なんと柊馬がアメリカの大学へ留学できるようにと、自分の恩師やお友達に連絡をとってくれ、滞在費用も全額負担してくれるという。

さすがにそれは申し訳ない、と何度も断ったのに。
案の定というか彼は頑固で、勝手に進めてしまった。

おかげで現在、柊馬はバイトも最小限にして、来年の渡米に向けて勉強に励んでるみたい。

あの子が本当は海外に行きたがってたなんて、私はちっとも知らなかった。
お金の問題がネックになって、言えなかったらしい。

当然、柊馬はすっかりクロードさんびいき。
今では私が知らないところでも連絡を取り合ってるようだ。


そんなこんなで――クロードさんと出会ってからこっち、本当に信じられないようなことばかり。
夢オチだったらどうしようって何度も頬をつねったっけ。


「いいなぁ超愛されてるじゃん!」
「溺愛ってやつだねー、羨ましい~」
「ねえねえ、やっぱりスキンシップはアメリカ仕込み? 激しいの?」
「やだ香ちゃん、何聞いてるの!」
「だって知りたいじゃん! 海外ドラマみたいに、しょっちゅうイチャイチャしてんのかなとか」

「や、それはあの……あはは……」

「えーやっぱりそうなんだ! そうなんでしょ!?」
「いってらっしゃいとお帰りなさいのキスはマストよねっ?」

曖昧な私の返答を、どうやら照れていると勘違いした2人。
そのまま勝手に盛り上がっていて、こっそり漏らした私のため息には気づかなかったようだ。

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