Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~

「……だとすると、おじさんを殺した犯人を特定するのは難しくなるかもしれない」

しばらくして、ぽつりとつぶやいたのは香ちゃんだ。

「どうして?」
「どういうこと?」

私と知依ちゃんはそれぞれの思考を中断し、香ちゃんへと視線を集中させた。

「だって、グループ中枢の幹部が関わっていたと仮定して、自分で手を下すはずないよ。そもそも日本にいない可能性だってある。よくて部下にやらせたか、もしくはプロを雇ったかもしれない」

「そっか、トカゲのしっぽ切りみたいに、黒幕にたどりつくことは難しい、ってことね?」

あぁそうか、とのみ込めた私は、肩が落ちていくのを自覚した。

警察が誰かを捕まえたとしても、所詮実行犯だってことだ。
グループ系列の何百何千っていう会社を一つ一つ調べるなんて絶対無理だし、そもそも警察がそこまで調べてくれる可能性なんてないに等しい。

あぁ、もしかして。
だからクロードさんはリーズグループに入ったのかな。

彼もまた、グループ内部に犯人がいるって考えて、内側からの方が探しやすいと……。

「総帥って、クロードさんの素性をどこまで知ってるのかな」

ふと、疑問が口を突いて出た。

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