Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
続けて、2人に説明する。
あのパーティーで、クロードさんと総帥に面識があるって知ったことを。
「そっか、孫だって認識があるなら、後継者問題が今まで未解決なのはおかしいよね。とっとと公表するだろうし。じゃあまだ知らないってことかな」
「真犯人を捕まえるために、示し合わせて黙ってるのかもしれないよ? 事件がすっきり解決してから、大々的にお披露目する予定、とか」
お披露目。リーズグループ新総帥として。
資質も才能も、カリスマ性も十分あるし、彼ならやっていけるだろう。
相応しいお相手もいることだしね。
私はテーブルの上で、両手をきつく握り締めた。
なんかどんどん、手の届かない存在になっていくな……
もやもやする気持ちを一掃するように、深く呼吸した。
「やっぱり、なんとしても犯人を見つけたい。お父さんだって浮かばれないし、クロードさんの将来のためにも」
強く言い切る私に、2人は頷きながらも「どうやって?」と疑問を口にする。
どうやって?
そう、それが問題だ。
ここまできたら、末端企業に潜入したって意味がない。
巨大な象に蟻、どころかミジンコが喧嘩をふっかけるようなものでしょ。
ただ……私には一つだけ、切り札がある。
確実に真犯人をおびき寄せられる、私にしか使えない、切り札。
「私が、囮になる」