Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
その後すぐにオーダーしたものが部屋へ届き、話は中断した。
何も言わなかったのに、私が朝ごはんを食べてないって彼女は把握してたみたい。飲み物だけじゃなく、サンドウィッチやオムレツなどの軽食も一緒に運ばれてきて、あっという間にテーブル上へ隙間もないほど並べられた。
「どうぞ。お好きなものを召し上がって? 食べながら話しましょう」
「はぁ……」
早く聞きたい気持ちはあるもののお腹が空いてるのは間違いないので、ひとまず目の前のクロワッサンを手に取った。
「……あ、おいし」
「でしょう!? 全部ホテル内で焼いてるのよ。どんどん食べて」
初めて言葉を交わすとは思えない彼女のテンションのおかげで、ちょっと緊張も解れてきたみたい。
「ええと、じゃあそろそろいいですか?」
軽く咳払いして気持ちを整えた私は、コーヒーカップを傾ける彼女へ視線を向けた。
「あ、はい。もちろん! どうぞ」
一番知りたいのはやっぱり――
「父を殺した犯人、指示した人と実行犯の正体が知りたいです。本当はもう全部わかってるんですよね?」
クロードさんは、私をホテルに閉じ込めて関わらせないようにした。
つまり真犯人との対決が近いって私は予想してるんだけど――と、息を詰めるようにして返事を待つ。
すると。
「……わかってるわ」
静かな答えが聞こえるや否や、全身の血が沸騰するような、高揚感を覚えた。
あぁようやく、ようやくわかる。謎が解ける。
「犯人は誰なんですかっ!?」
食い気味にテーブルへ身を乗り出してしまった私を見つめて、彼女は困った様に眉を下げた。
「ごめんなさい」
「え?」