Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
それから、落ち着かない気分のままテーブルの上の食事をつついたりして、どれくらい時間が経っただろう。
何か連絡がないかな、とこれで何度目になるかわからないが、カバンから自分のスマホを取り出す。……あれ?
「メール?」
新着メールのポップアップ。
最近はあまり使ってないメアドあて。
どうせスパムメールの類だろう、と思いながら何気なく開いて――眉間にぐぐぐっと皺が寄った。
差し出し人が、足立美津江……おばあちゃんだったから。
いつもはメッセージアプリを使うのに。
何かあったのかな。
本文は1行だけだった。アドレスが記されてる。
えぇええ、なんだか思いっきり怪しそう……
散々迷ったのち、恐る恐るクリックしてみた。
ヤバそうだったらすぐに消せばいいんじゃないかなと思いつつ。
どうやらそれは、動画へのリンクだったらしい。
自動的に再生が始まり……白い殺風景な廊下が映し出された。
時刻は夜だろう。オレンジ色の常夜灯だけが天井に等間隔で灯ってる。
誰かが、スマホで撮影しながら歩いてるみたい。
微妙に揺れながら映像は暗い廊下を進み、エレベーターへ。
チン、と微かな音と共にどこかへ到着した。
外へ出ると、さっきまでと違い、床に絨毯が敷かれていることがわかる。
壁は高級感のある壁紙に代わり、絵が飾られて……
見覚えのある風景だと気づいて、背筋にヒヤリとしたものを感じた。