Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
え、ぇええ!? 爆弾!?
文字通りの爆弾発言に、空気が一瞬にして緊張をはらむ。
「半径1キロくらいは吹っ飛ばせるヤツだよ。僕が戻ってこなければ、仲間が遠隔操作で爆破装置を起動させることになってる。この時間なら、みんな家でくつろいでる頃だろうねぇ。無関係の一般人を巻き込んでも良ければ、僕を捕まえるといいさ。見たところ、お前は一人。仲間はおおかた僕が仕掛けた罠に苦戦してるところで、誰も助けにはこないんだろう? さぁ、どうする?」
「…………」
さすがに表情を強張らせたクロードさんは――逡巡の後、ゆっくりと後ずさった。
攻撃の意思を無くしたと見て取るなり、「あはははははっ!」と香坂が弾けるように笑い出した。
「わかってもらえて嬉しいよ。まぁ、たった一人でこの場所にやってきたことは褒めてやるがね」
「……このまま逃げ切れると思っているのか」
「逃げる? まるで僕が犯罪者みたいじゃないか。そんな言い方しないで欲しいな。僕は不当に僕の地位を奪った奴らを罰し、本来僕のものである総帥位を取り戻したいだけ。それの何が悪い?」
「本来僕のもの、ね」
はぁ、とクロードさんが呆れたように首を振る。
「いいことを教えてやる。例えばここで茉莉花や俺を殺したとする。お前が得られるものは何か――殺人者という不名誉な称号と冷たい手錠だけだ」
「ははっ僕が逮捕されるとでも? おいおい、僕はリーズグループの総帥になるんだよ? 日本政府だって国際問題に発展するのは望まないだろう。いくらでも証拠をでっちあげて、君たちが離婚協議のもつれの末心中したっていうことに――」
「哀れだな」